教習所の先生「教習指導員」の仕事やなり方、必要な資格、給料、将来性について解説します!

自動車教習所(自動車学校)で、学科教習や技能教習を教えてくれる先生を、「教習指導員」と呼んでいます。

車好きな方や運転することが好きな方、人にものを教えるのが得意な方は、教習指導員の仕事を一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

しかし、どうやったら教習指導員になれるのか、仕事の内容はどんなものなのか、いまいちよくわからないという方もいらっしゃると思います。

そこでここでは、教習指導員の仕事内容と、どうやったら教習指導員になれるのかということから、必要な資格、給料、将来性まで含めて、教習指導員の全てを解説していきます。

教習指導員の仕事

教習指導員の仕事内容としては、自動車学校などの教習所で、道路交通法に基づき安全運転の知識や運転技術を教える教習業務が主です。

教習の内容は大きく分けて2つあり、一緒に教習用の車などに乗って直接指導することを「技能教習」、車の運転や道路交通に関するルールを座学で教えることを「学科教習」と呼びます。
教習指導員は、この2つのどちらかだけでなく、両方の指導をバランス良く行えることが重要です。

学科教習では、運転免許をこれから取得しようとする人に対して、道路交通法などの交通ルールや安全運転の知識だけでなく、運転するにあたって持つべきモラルなども指導します。
車を運転するということは、自分の行動に責任を持つことが大切ですので、運転する際のマナーやモラルといったことも、指導内容に含まれているのです。
そのため、教習指導員自身にも、充分なマナーやモラルを持つことが求められています。

教習は、普通自動車や二輪車はもちろん、資格があればバスやショベルカーなど大型や大型特殊なども行います。

この他に、ペーパードライバーや高齢者に向けた安全運転講習、企業からの委託を受けた運転指導講習などもあり、業務内容は多岐にわたるものです。

また、教習以外に事務作業や会議への出席などの業務も行うことがあります。

教習指導員の1日(例)

教習指導員の1 日のスケジュールは大体次のような感じです。

8:00  出勤→前日の業務の引き継ぎ、車の整備・洗車・準備
取得したい車種があれば、その練習(先輩指導員が同乗)
9:00    朝礼
10:00 教習( 1コマ50分、10分休憩)
13:30 昼休憩
14:30 教習
19:30 教習終了→業務記録、引き継ぎ、チームの終礼
20:30 残業(社内報の作成や営業業務のサポートなどデスクワーク)
21:30 退社

 

教習指導員のなり方

教習指導員になるには、まず普通自動車免許を取り、指定自動車教習所に就職することが先決です。

その後、一定の講習を受け、「指導員審査」に合格する必要があります。

教習指導員審査は年に2~3回行われ、入社してから最初の審査を受けるまでの3~6ヶ月間は「指導員見習い」として、教習生の送迎や受付など様々な業務をこなしながら、「事前教養」と呼ばれる講習を受けます。

それが終わったら、今度は公安委員会の行う3週間ほどの「教育研修」を受け、ようやく審査を受けられることになるのです。

指導員審査までに受ける講習は合計146時限です。

  • 現場事前教養(教習所で仕事しながら学ぶ)…90時限
  • 教育研修(公安委員会の行う講習会)…56時限

 

指導員審査

指導員審査の内容は、以下の通りです。

知識に関する審査

  1. 自動車教習所に関する法令についての知識(論文85%、正誤式95%)
  2. 教習指導員として必要な教育についての知識(論述式80%)
  3. 教則の内容となっている事項、その他自動車の運転に関する知識(論述式85%、正誤式95%)

 

技能に関する審査

  1. 教習指導員として必要な自動車の運転技能(技能試験に準じ85%)
  2. 技能教習に必要な教習方法(面接80%)
  3. 学科教習に必要な教習方法(面接80%)

また、指導員審査に合格した後には、現場事後教養(24時限)を受けることが義務付けられています。

これで、晴れて「教習指導員」の資格を与えられ、教習に従事することができるようになるのです。

教習指導員に必要な資格

最も基本的な資格は、「21歳以上で、技能教習用自動車を運転できる免許所持者であること」です。
これがないと、教習指導員の事前教養さえ受けられません。

この上で、事前教養と教育研修を受け、指導員審査に合格して、事後教養を受け、「教習指導員」の資格を取ることが求められます。

また、教習指導員の資格は、各車種ごとに分かれているため、それぞれの車種に応じた教習指導員資格を取る必要があります。
例えば、普通自動車第一種免許の教習をする場合には「教習指導員資格者証(普通)」、準中型免許の教習をする場合には「教習指導員資格者証(準中型)」というように、一つ一つ別々の資格を取らなければなりません。

教習指導員の給料

では、気になる年収・給料はいくらぐらいでしょうか。

年収相場は、平均250~325万円となっています。
給与に換算すると平均20~36万円程度です。

ただし、年収は地域の格差が大きく、最高金額と最低金額ではおよそ90万円もの差があります。
同じ地域でもその教習所ごとによって大きく違うため、細かく調べる必要があります。

また、教習指導員は年功序列なので、年齢によっても大きな差が出てくるところが注意点です。
例えば、20代では16万円程度なのに対して、40代では50万円程度となっています。

一般的に、収入の多い人は、人気のある教習所に長年勤めている人です。

教習指導員の将来性

ざっくり言うと、教習所は減少傾向にあり、業界としては衰退傾向にあります。

それは、そもそも18歳人口がどんどん減っていくからであり、2019年では118万人いたのが、2040年には80万人に減ってしまうのです。
また、公共交通機関の発達により、自家用車が不要と考える人達が増えたり、自動運転技術の進歩によって、車を運転する技術自体が不要となってしまうこともあります。

しかし、18歳人口が減っても、高齢者講習の受講者は年々増える一方ですし、自家用車が不要になっても、代わりにバスやタクシーの需要が増えることが考えられます。
仮に普通自動車が自動運転になっても、大型トラックやトレーラー、クレーンやショベルカーなどの大型特殊自動車は、恐らく人力運転として残るでしょう。

したがって、一概に衰退する一方とは言えず、取り扱い車種の多い教習所は、今後も生き残っていくことが予想されます。

教習指導員のしごとを探す

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教習指導員は魅力的な職業!

以上、教習指導員の仕事から年収、将来性まで見てきましたが、教習指導員は総じて魅力的な職業であると言えます。

なぜなら、資格は国家資格であり、今後もなくならないこと、安全運転の知識と技術、マナーやモラルを教える社会的意義の大きい仕事であること、教習生の成長を肌身に感じられるといったやりがいがあること、人気のある教習所に長年勤めれば、平均以上の年収になること、など、仕事として魅力的な点がたくさんあるからです。

資格を取るのはなかなか大変ですが、それに見合う素晴らしい仕事と言っていいでしょう。

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