『適性検査』とは教習所に入る際に誰もが受ける検査の事です。
どんな事をするのかわからないと不安ですし、もし落ちてしまったら、と不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、教習所で受ける適性検査について、どんな内容なのか解説していきます。
教習所の適性検査とは
教習所で行う適性検査には、「視力・聴力などの身体適性検査 」と、「運転に適した性格か判定する運転適性検査」の2種類があります。
視力・聴力などの身体的適性検査は規定が決められているので、規定以下の視力・聴力では入校を拒否されることがあります。
メガネやコンタクトレンズを使用しての視力、補聴器を使用しての聴力なので、忘れずに持っていくようにしましょう。
運転適性検査とは、性格や運動傾向をチェックして、運転の適性度を測る検査のことです。
運転操作に対する速さや正確性、自分の性格や癖、運転傾向・行動は自分では気づきにくいものです。
運転以外でも、ついやってしまうことや癖・性格は、自分では意外とわからないもの。
自分では気付きにくい癖や性格を、客観的な視点で確認することが検査の目的になっています。
また、最初に自分の性格や癖がわかっていれば、今後の教習で、何を意識して学ぶべきなのか学習方針にもなりますし、免許取得後の安全運転の指針にも繋がります。
教習所の適性検査はいつやる?
適性検査は入校日に行います。
入校手続きを終えた後、次のような流れで行われます。
▼
▼
▼
身体適性検査では視力・聴力の検査があります。
普段メガネ・コンタクト、補聴器をつけて生活している方は持っていきましょう。
ただし、カラーコンタクトや瞳の輪郭を強調するサークルレンズは不可のため注意してください。
- 筆記用具
- 住民票
- 本人確認書類
- 印鑑
- 入校に必要な書類
- 教習料金及び支払い用紙控え
- メガネ・コンタクト(カラーコンタクト・サークルレンズ不可)、補聴器
- 写真
身体適性検査の内容
色覚、視力、聴力検査を行います。
色覚検査では赤色、青色、黄色、つまり信号機の色を識別できれば合格です。
視覚に関しては、両目で0.7以上、一眼ではそれぞれ0.3以上必要です。
片目の視力が低い場合は、もう片目の視野が左右150度以上で視力が0.7以上であることが条件になります。
これは普通免許、大型特殊免許、大型・普通自動二輪免許の場合の条件で、大型免許や中型免許ではもう少し視力が必要になります。
さらに、大型免許や中型免許では三桿(かん)法という奥行知覚検査器を使って、深視力を測らなくてはなりません。
聴覚は両耳の聴力が10メートルの距離で、90デシベルの警音器の音が聞こえるものであることが必要です。
補聴器を使用して聴覚で構わないので、忘れずに持っていきましょう。
また、平成29年から耳に障害がある方でも、ワイドミラーか補助ミラーを取り付け、聴覚障害者標識を表示すれば、運転できる自動車の種類が増えました。
運転適性検査の種類と内容
運転適性検査は2種類あり、教習所によってどちらを用いるかは異なります。
検査内容や結果も違ってきますが、検査方法自体に優劣はありません。
検査時間はどちらも30分程度で、説明の時間を入れても1時限以内に終わります。
1.警察庁方式K型
『警察庁方式K型』とは、1970年頃から公安委員会指定の教習所で用いられている検査です。
検査1~6は運転時の動作の速さや正確さ、判断力・衝動性などを測定するマークシート式テストで、2~3分の短時間で終わります。
検査7は検査員が問題を読み上げ、それに対して「はい」か「いいえ」の2択で答える心理分析テストです。
検査でわかること
11の検査項目から性格を割り出し、それらの評価から8タイプの性格分類にあてはめます。
運転傾向や運転に対するアドバイスを教えてくれます。
- 状況判断が遅いタイプ:周囲の状況を判断するのが苦手で、情報量の多い場所で迷ったり、よく考えずに行動したりして事故を起こすことがある。
- 動作は速いが正確さに欠けるタイプ:機敏に動くことが出来るが、慣れると雑になりがち。十分に安全確認しないで行動に移る事がある。
- 神経質なタイプ:細やかな気遣いが出来るが、気になることがあると注意散漫になる。
- 気分が変わりやすいタイプ:気分の浮き沈みが大きく、運転動作に反映される。気分が良い時は運転がスムーズだが、調子に乗って雑になる事もある。
- 攻撃的なタイプ:正義感が強すぎて他人の行動に腹を立ててしまう。周囲への注意が疎かになったり、運転が荒っぽくなったりする。
- 自己中心的なタイプ:マイペースで他人に迷惑をかける。自分では気づかないうちに周りに迷惑をかける運転をしてしまうことがある。
- 自分を良く見せたいタイプ:他人の目を気にして実力以上のことをしてしまう。急発進・急加速をしたり、減速せずカーブに侵入したりしがち。
- 調子に乗りやすいタイプ:気分が高揚すると注意散漫になったり、運転が雑になったりする。同乗者との会話に夢中になってしまうことも。
2.OD式安全テスト
『OD式安全テスト』は、1967年に民間企業で開発され、全国の教習所で採用されている適性検査です。
「はい」「いいえ」2択のマークシート式で、次の4つの観点から検査を行い、4つの運転タイプと、88個の性格パターンに分けます。
- 運動機能
- 健康度・成熟度
- 性格特性
- 運転マナー
検査でわかること
運転に必要な心の働きなどについての運転適性度と安全運転度の、2つの評価軸から適性パターンを大きく4タイプに分類します。
- 安全運転タイプ:運転技術を過信しない、比較的運転が安全な人
- もらい事故傾向タイプ:安全運転を意識しているが、運転操作が少し不器用で事故に巻き込まれやすい人
- 重大事故傾向タイプ:運転技術を過信しており、安全運転の意識が欠けている人
- 事故違反多発傾向タイプ:事故を起こす確率がとても高い人
教習所の適性検査で落ちることはある?
身体適性検査では、基準を満たしていなければ落ちることがあります。
普段の健康診断で異常があるかわかるので、事前に見ておきましょう。
また、再検査することも可能なので、メガネを忘れてしまった場合や、補聴器が必要になった場合も後日受け直すことができるので安心してください。
運転適性検査では、結果が悪かったから落とされるということはありません。
単に自分の適性を客観的に知るためのもので、教習の評価には関わりがありません。
今後の教習で自分に何が足りないのか、何を重点的に勉強すればいいのかの材料にしましょう。
教習所の適性検査で気を付けたいこと
適性検査で大切なのは、正直に検査することです。
本当は見えていないのに見えると言ったり、聞こえると言ったりすると、実際に運転した時に標識が見えなくなったりして大変危険です。
安全運転のために検査をしているので、嘘偽りなく検査を受けましょう。
また、メガネ・補聴器が必要になったときも、きちんと自分に合うものを用意して再検査してもらうと良いです。
運転適性検査でも手を抜いてしまったり、印象が良くなるように嘘の答えをしてしまったりすると、本来の目的が失われてしまいます。
合否を決めるものでも、優劣を決めるものでもないので、正直に自分の性格、運転適性を見極めましょう。
また、説明をしっかり聞いて、落ち着いて正確に行うことも大切です。
よくわからないまま進めてしまったり、慌てて項目を飛ばしたりしてしまっても、正確な回答を得られることができません。
事前説明をしっかり聞いて、落ち着いて検査に挑みましょう。
適性検査の結果を今後の運転に活かそう!
教習所の適性検査の内容について解説してきました。
適性検査は安全に運転できるかどうかの身体検査と、性格診断の2つあります。
身体検査で落ちても、メガネや補聴器をつければ再検査して合格できますので、あまり気を落とさず、病院で作ってもらってから再挑戦しましょう。
また、運転適性検査では落ちることがないので、自分の素直な、正確な結果を求めて、正しい適性検査の結果を求めましょう。
検査の結果は、「自分はどんな運転適性を持っているのかを、思い出すと身が引き締まる」という意味で、教習が始まった後も、教習所を卒業した後も覚えておくことをおすすめします。