自動車教習所の教習は「第一段階」と「第二段階」に分かれており、第一段階の終わりに行われるのが「修了検定」です。
第一段階の「修了検定」と「学科試験」に合格すると「仮免許」が取得できて、「第二段階」の路上教習を受けることができるようになります。
本記事では、この第一段階の「修了検定」の内容や難易度、合格率などについて詳しく解説します。
第一段階の修了検定とは?
修了検定とは、第一段階の終わりに受ける「技能試験」のことを言ます。教習所によっては、修了検定のことを「技能検定」と言うこともあります。
修了検定の実施場所は、教習所内のコースです。
修了検定に合格すると学科試験を受けることができ、これに合格すると仮免許を取得することができます。
この修了検定と学科試験のことを教習所によっては、「仮免許試験」ということもあります。
修了検定の目的
修了検定は、「第二段階」で路上教習を行うために必要な技術が身についているかどうかを判定するために行われます。
具体的には道路交通法に従った走行ができるかどうか、安全をしっかり守った上で、道路状況に応じたスムーズな走行ができるかを判定します。
第一段階の修了検定の内容は?
修了検定は一体どのような内容で行われるのでしょうか。
その実施方法や、具体的な内容、採点方法、運転時間などについて具体的に見ていきましょう。
【1】修了検定の内容・実施方法
修了検定は、自動車教習所のコースの中で行われます。
当日までコースの詳細な内容は知ることはできず、当日に検定員により知らされます。
当日知らされたコースをこれまで学んだ安全行動や技術を駆使して、走行していきます。これまで技能教習で走ったコースの走る順番が違ったりするだけなので、完全に初めてのコースを走行するわけではありません。
そのため過度に緊張する必要もありません。また、自分でコースを覚えたり、事前対策の必要もありません。
修了検定の採点方法・合格点
検定試験の採点は減点方式で行われ、100点満点で70点以上で合格となります。
減点対象となる行為と減点数が決まっていますので、大きなミスだと1回で検定中止となることもありますし、小さなミスを繰り返しても検定中止となり不合格となります。
修了検定の採点範囲
乗車した瞬間から降車する瞬間までのすべてが採点範囲ですので、最初から最後まで気を抜くことはできません。
例えば、乗車時の安全点検など、忘れやすい動作などは事前に復習しておくのがおすすめです。
些細なことで減点となり不合格になるのが一番バカらしいことですので注意しましょう。
修了検定のチェック項目
修了検定でチェックされる項目は主に次の通りです。
・乗車時:ドアの開ける際の後方確認、シートベルトの装着、ルームミラーの調整、エンジンの掛け方など
・コース走行:ウィンカーの出し方、外周の走行、指示速度による走行など
・進路変更:きちんと安全確認(ルームミラー・合図・ドアミラー・目視の手順)ができているか
・クランク・S字:脱輪せずに狭い道路を運転できるか(※脱輪した場合は正しい順番で脱出できれば問題ありません。)
・坂道発進:上り坂の途中で一時停止し、その後スムーズに発進できるか(※MT車の場合は半クラッチを上手く行う事ができるかがポイントです!)
・停車時:停車して降車する際の後方確認など
第一段階の修了検定の難易度や合格率は?
第一段階の修了検定は、決して難しいものではありません。
大きなポイントを一言でいえば、「基本に忠実に運転操作ができているか」および「交通ルールに従って走行できているか」ということになります。
前述のチェック項目は、全て第一段階の技能教習の中で教習を受けてきた内容ですから、これまでに学んできたことをそのまま実践すれば必ず合格できるような内容です。
しかし、中には不合格となってしまう方もおり、第一段階の修了検定の合格率は80%程度と言われています。
修了検定の注意点
敢えて注意点を挙げるとすれば、乗車する際や降車する際、走り出すときや進路変更をするときに安全確認をする必要がありますが、検定員に「しっかりと安全を確認した」ということが伝わるように、多少大げさな程度に行った方がいいでしょう。
教習所によっては、声に出して安全を確認するところもあると思いますが、大きな声ではっきりと声出しをするようにしましょう。
また、技能教習の時のように教官からのアドバイスはありません。
全てのことについて、自分で考えて判断をして運転をしなければなりません。
当然、プレッシャーを感じることになると思われますが、これまでの教習でやってきたことを、いつもと同じように行えば合格することができるはずですので、安心して検定に臨むようにしましょう。
第一段階の修了検定は怖くない!
本記事では、第一段階の修了検定について詳しく解説してきましたが、修了検定は難しいものではなく、第一段階の技能教習の効果を確認するものです。
修了検定に合格すれば学科試験が受験できて、第二段階の路上教習に進むことができます。
教習所で初めて受ける技能試験ですから、緊張するのは当然ですが決して怖いものではありません。
適度な緊張やプレッシャーは集中力を高める効果がありますので、怖がらずに修了検定に臨んでください!